PHPのOpcacheにおける Memory wasted (%) は、Opcacheが使用するメモリのうち、現在無駄になっている部分の割合を示します。
具体的には、「無駄になっているメモリ」は、以下のようなケースで発生します:
1. キャッシュのフラグメンテーション
- OpcacheはPHPスクリプトをキャッシュする際に、メモリを割り当てます。スクリプトが削除されたり、更新されたりすると、元のキャッシュデータが無効になります。
- 無効になったキャッシュ領域は解放されず、他のキャッシュに再利用されるまで「無駄」としてカウントされます。このフラグメンテーションが増えると、利用可能な連続メモリが減少します。
2. キャッシュエントリの削除または再生成
- PHPスクリプトが頻繁に変更される環境では、古いキャッシュが破棄され、新しいキャッシュが作成されます。この際、破棄された古いキャッシュ領域が無駄なメモリとしてカウントされることがあります。
「Memory wasted (%)」の意味
- この値は、Opcacheが割り当てたメモリ全体(
opcache.memory_consumption
で指定されたサイズ)に対する「無駄になっているメモリ」の割合を示します。 - 例えば、
Memory wasted (%)
が 10% と表示されている場合、Opcacheが使用可能なメモリの10%がフラグメンテーションや無効データとして存在していることを意味します。
理想的な状態
- Memory wasted (%) はできるだけ低い方が良いです。0% に近い値が理想的で、Opcacheのメモリが効率的に利用されていることを示します。
- 高い値が続く場合、メモリが不足している可能性があり、Opcacheが最適に機能していない可能性があります。
対処方法
1. メモリサイズを増やす
- Opcacheが使用するメモリサイズを増やして、フラグメンテーションを軽減します。
- 例えば、
opcache.memory_consumption
の値を適切に調整します。
opcache.memory_consumption=128 ; (デフォルト: 128MB)
2. キャッシュの有効期限を調整
- キャッシュの保持期間を短く設定することで、不要なキャッシュを早めに解放します。
- 例えば、
opcache.revalidate_freq
を適切に調整します。
opcache.revalidate_freq=60 ; (デフォルト: 2秒)
3. Opcacheの再起動
- フラグメンテーションが蓄積している場合、サーバーを再起動してOpcacheをクリアすると改善されることがあります。ただし、これは根本的な解決策ではありません。
4. スクリプトの管理を最適化
- スクリプトの変更頻度を抑える、不要なファイルをキャッシュしない設定にするなどで、フラグメンテーションを減らします。
適切な設定を維持することで、Opcacheのパフォーマンスを最適化し、Memory wasted (%)
を低く保つことができます。