2023年7月下旬のAWSブログに以下の記事がポストされた。
New – AWS Public IPv4 Address Charge + Public IP Insights | AWS News Blog
https://aws.amazon.com/blogs/aws/new-aws-public-ipv4-address-charge-public-ip-insights/
Amazon、AWSでのパブリックIPv4アドレス利用に課金。2024年2月から – PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1520212.html
2024年2月1日よりパブリックIPv4アドレスに課金を行うとのこと。理由は、IPv4アドレスが希少資源となり取得コストが増大していること、それを踏まえてIPv6の採用をユーザに勧めるためということらしい。しかし、周囲で聞きまわってみると、IPv6化の必要性を主張する人は見つからない。非技術職に尋ねると「ほんとに必要なの?」と言われる始末。
本当にIPv4アドレスは希少資源になっているのか
以下にIPv4アドレス利用に関する統計がある。
IPv4 Address Report
https://www.potaroo.net/tools/ipv4/
これによると、IANA(インターネット番号割当期間)及びRIR(地域インターネットディレクトリ)が管轄するIPアドレスは全て枯渇している。枯渇の意味は、これらの組織が管轄するIPアドレスは全てネット事業者に割り当て済みという意味だと理解する。なので、自分が利用するネット事業者が未使用のIPv4アドレスを持っていれば、サービスを立てる際に割り当ててもらえる。ユーザが増えれば未使用分が減るので、IPv4アドレスはユーザ数の増加に従って希少性が高くなるということか。
IPv6はどれぐらい普及しているのか
IPv6を使ってGoogleにアクセスしているユーザーの割合が公表されている。
IPv6 – Google
https://www.google.com/intl/ja/ipv6/statistics.html
世界的に見て、その割合は40%ぐらいだが、これはIPv6対応しているクライアントの割合がその程度ということなのだろうか。IPv6対応が必要なのはデバイスかもしれないし、回線を提供するキャリヤやプロバイダのインフラかもしれない。
IPv6化を加速するにはどうしたらいいのか
今回のAWSのIPv6への課金発表もその1つの方法だろう。何年も前からこの方法を提案する人もいる。
IPv6がなぜいまだに普及していないのか|Rui Ueyama
https://note.com/ruiu/n/n1676c1053a27
2019年11月4日
しかし、この機会に自分のチームでIPv6化の必要性を議論してみたら、否定はしないけど実施する明確な理由が見つからない、という意見が多く出た。AWSはIPv4アドレスを課金するといっても、課金されて懐が痛むもど大量のIPv4アドレスは使っていない。IPv6化する明確なメリットが見えないと、マネージメントを説き伏せるのは難しい。
参考サイト
IPアドレス枯渇問題 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/IP%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9%E6%9E%AF%E6%B8%87%E5%95%8F%E9%A1%8C
インターネット10分講座:IPv6アドレス~技術解説~ – JPNIC
https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No32/090.html
2006年3月発行
IPv6アドレスについて知っておくべき10のこと – ZDNET Japan
https://japan.zdnet.com/article/20423460/
2010-12-01